自治体ぐるみの防犯が重要|千葉県の防犯について為になる情報

「個人の防犯対策」だけでは守りきれない

「犯罪抑止に強い要素」でご説明したとおり、犯罪抑止に強い要素には抵抗性・領域性・監視性が上げられました。しかし、日本ではまだ犯罪機会論より犯罪原因論の影響が色濃く、犯罪抑止に強い要素の中でも抵抗性だけが重要視されています。犯罪原因論とは、犯罪者に焦点を合わせたものであるため、犯罪者が襲ってきた時、犯罪者の標的として、どのように対応すべきかという時点までしか考えられておらず、場所や地域で守るという発想にまではいたっていません。例えば子供の安全の為に抵抗性を考えて防犯ブザーを自治体から配ったとして、それは領域性と監視性は考慮されていません。

お城は犯罪環境論を重視した作り

お城には守るべき殿様がいます。殿様に刀を渡すのが抵抗性です。しかし個人だけでは攻めてくる”犯罪者”に対応する事は出来ません。そこで領域性・監視性に優れたお城を立てることで守ることが出来るのです。お城は、敵が本丸に近づけないよう堀や石垣を作り、敵の動きがわかるように城内外を一望できる天守を構えています。また石段においても一歩で上がるには広すぎる・二歩で上がるには狭すぎるよう設計し敵が上がりにくい構造で建てられています。要するに、個人で守るのではなく自治体・地域で守るという視点を持ち、犯罪者が標的である子供たちに近づきにくいような地域作りが重要なのです。